テニスボールの再利用を考える

テニス

みなさんはスポーツ中継をご覧になりますか?私はテニス中継を見ることが多いです。
ジョコビッチ選手の優勝で幕を閉じた全米オープンテニスも、仕事に支障のない程度に見ていました。
テニスのプロの試合では、ニューボールがどんどん使用されます。最初は7ゲーム後、以降は9ゲーム毎にニューボールを使用します。
では、全米オープンテニス開催中に、いったい何個のテニスボールを使用しているのでしょうか?
そして、使用済みのテニスボールはいったいどうなるのでしょうか?
今回は、テニスボールのリサイクルと再利用について考えてみます。

テニスボールが短命な理由

テニスボールは球状のゴムでできており、中は空洞になっています。ゴムの周りはナイロン繊維のフェルトで覆ってつくられています。
テニスボールには「プレッシャーボール」と「ノンプレッシャーボール」があります。
プレッシャーボールは、内部の空気圧とゴムによって弾みます。ゴムの内部に、外気圧よりも高いガスが入っており、それによって反発が生まれます。プレッシャーボールは、空気圧でボールが弾むので、軽くて爽快な打球感が得られます。プロも含めて大会で使用されるのはプレッシャーボールです。
プレッシャーボールは、ボールのガスが抜けないように金属またはプラスチック容器に入っています。容器の内部は空気圧が高くなっており、使用時に開封するまでは劣化しないようになっています。逆に言うと、容器を開封した瞬間から劣化が始まり、使用していなくてもボール内の空気が抜けていきます。時間が経つほどボールは弾みにくなり、打球感が悪くなります。
ボールの中の圧力が高い点は、サッカーボールやバレーボールも同じですが、テニスボールは簡単に空気を入れ直すことができません。ボールが一番弾む状態でプレーを続けるには、ラケットで叩かれ続けた使用ボールを捨て、新しい容器を開け続けるしかありません。
新しい容器を開けると、炭酸飲料の缶を開けたときのように、「プシュッ」という音がします。これは、空気圧が高くなっている容器内の空気が抜ける音です。この「プシュッ」という音は、とても心地よい気分になるので、テニスをしている方の多くは、新しい容器を開けるが好きです。私のまわりだけでしたらすみません。

テニスボールの生産と廃棄

テニスボールの内側の素材であるゴムの生産は森林伐採につながり、外側の素材であるナイロンは一般的に石油から作られるので、ボールの生産は、少なからず環境に負荷をかけることになります。
テニスボールは、ラケットで叩かれ続けると弾力性がすぐに失われてしまうので、テニスの試合では何度もボールを交換する必要があります。先月に終了した全米オープンテニスでは、合計約10万個のニューボールが使われたそうです。この約10万個のテニスボールは、次の大会で使用することはできません。
米国では、毎年およそ1億2500万個のテニスボールが捨てられています。捨てられたテニスボールのごく一部はリサイクルや再利用されますが、ほとんどは埋め立てられます。つまり、テニスボールの廃棄も環境への負荷につながります。
テニスボールが環境に与える影響を減らすには、適切にリサイクルするか、古いボールに第2の人生を与える必要があります。

活用方法は工夫次第

古いテニスボールは、プロの試合で使用できませんが、まだ弾むのであれば、他にも使い道はあります。リサイクルについて考える前に、まずは再利用について考えることが重要です。何度も再利用できれば、それだけ環境にやさしくなります。
少し工夫すれば、いろいろな方法で活用できます。以下に再利用の方法を何個か挙げてみます。

①椅子や歩行器の脚カバーに使用
→ボールに×字型の切れ目を入れ、椅子の脚を差し込めば、椅子が床にこすれる音を防げます。同じようにして、歩行器を安定させることもできます。
②マッサージに使用
→筋肉痛の軽減などにも役立ちます。靴下の中に入れたり、床に置いて踏んだり上に寝たりすることで、筋肉をほぐすことができます。
③洗濯乾燥の時短
→使用済のテニスボールを洗濯乾燥機に入れれば、洗濯物がより短い時間で乾くようになるそうです。
④梱包材として使用
→容器の隙間を埋めて緩衝材として使います。
⑤虫よけとして使用
→蚊が嫌いなオイルを混ぜたワセリンを塗って吊しておけば、蚊除けにもなります。
⑥愛犬の遊び道具に使用
→テニスボールを投げてあげたくなるかもしれませんが、あまり犬にボールを噛ませすぎないほうがいいそうです。ボールの繊維が歯のエナメル質を摩耗させてしまうことがあるようです。
⑦アートやコラージュの素材に使用
→発想を変えてみるれば、アートやコラージュの素材としても使えるのではないでしょうか。

テニスをされる方もされない方も、テニスボールの第2の人生を考えてみてください。
みなさんの考えは、環境へのやさしさにつながります。

まとめ

テニスボールは、ゴムの内部に外気圧よりも高いガスが入っており、時間が経つほどボールは弾みにくなり、打球感が悪くなります。
テニスボールは空気を入れ直すことができないので、ボールが一番弾む状態でプレーを続けるには、新しい容器を開け続けるしかありません。
米国では、毎年およそ1億2500万個のテニスボールが捨てられ、テニスボールの生産と廃棄は、環境に負荷をかけています。
テニスボールが環境に与える影響を減らすには、リサイクルするか、再利用を考える必要があります。
テニスボールは、少し工夫すれば、いろいろな方法で活用できます。
テニスボールを何度も再利用できれば、それだけ環境にやさしくなります。

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